更年期に夏バテが重なると、しんどい
この夏は、猛暑日の連続…これでもかというほど、暑い日が続きました。
そして、命の危険をともなうような暑すぎる夏には、冷房が必須でした。
(夜、寝る時もずっとエアコンをつけ続けたのは、私どもも過去に経験がありません)
過去にない長時間の冷房による「冷えすぎ」が影響したのでしょう。
今年は「エアコン冷え」による体調相談が、かなり増えました。
(頭痛、首コリ、肩こり、耳の不調、四十肩、五十肩、腰痛、胃の不快感など)
冷房を活用しつつも、疲れを引き起こさない。
こんな対策が大事になってきています。
あわせて、更年期に入ると、ホルモンバランスの変化により、体の調子が不安定になりやすくなります。
更年期は心身ともに変化が大きく、自律神経の乱れから、ほてりや動悸・血圧の変動・不眠など不調があらわれやすい時期です。
こういった心身の不調は、生活環境やストレスに左右されやすいもの。
暑さが長く続く近年の夏は、特に注意が必要です。
更年期と夏バテ:複合的な影響
女性の更年期は、女性ホルモンの分泌が減少することで、ホルモンバランスが大きく変化します。
男性の更年期の場合も、男性ホルモンの分泌の減少がキッカケとなります。
これにより、自律神経の乱れが生じ、ほてり、動悸、血圧の変動、不眠などの症状が現れることがあります。
今年は、「高温多湿」の日本の夏特有のこの環境が、さらに、体に大きく負担をかけました。
そこに、冷房・エアコンによる冷えが、どこにいっても起こります。
(今年は、命の危険があるため、冷房の使用が推奨された夏でした)
さらに冷たい飲み物の過剰摂取が胃腸機能の低下を招いてしまった方が多いようです。
つまり、昔のように単純な「夏の暑さによる疲れ」だけでなく、複数の要因が重なり合っていると考えられるのです。
そもそもデリケートな時期である更年期に、夏バテが加わると、より体調不良を感じやすくなります。
夏の疲れがドッとでやすい秋の入口。
更年期のケアと夏バテのケアの両方を行いましょう。
更年期における血圧の変動とその対策
更年期は血圧も不安定になりやすく、急激な血圧変動が、動悸やめまいなどを引き起こすことがあります。
しかし、夏場は、血圧の変動により冷や汗や動悸、吐き気などの症状が出ても、「夏バテ?熱中症かな?」と判断に迷うこともあります。
また、血管系の疾患が増える年代であるため、気になる症状があれば早めに医療機関を受診することが重要です。
漢方的視点での更年期と夏バテ対策
漢方では、更年期の不調や夏バテには「気」「血」「水」のバランスを整えることが基本とされています。
それぞれの要素を見ていきましょう。
- 「気」の不足と補充
更年期には「気」が不足しがちです。「気」は身体のエネルギーや活力、精神的な安定に関与しています。今年の夏は冷えすぎていてめぐりそのものが悪化しているケースが多かったようです。気が不足すると、疲れやすく、体調が不安定になり、イライラするなども出てきます。
- 「血」の不足と補充
エアコンによる冷えで「お血(おけつ)」になってしまうのも防ぎたいところです。さらに、更年期には「血」が不足しやすく、これが肌の乾燥や冷え、動悸の原因となることがあります。「黒胡麻」や「レバー」といった栄養豊富な食材は、血を補うのに適しています。
- 「水」のバランスと調整
夏の暑さや冷房・エアコンによる乾燥の繰り返しが体にひびき、「水」のバランスが崩れることがあります。これにより、体内の水分が不足したり、逆に湿気が溜まったりします。なるべくあたたかい白湯などを朝晩に飲むようにしましょう。(常温よりは温かく、のむとお腹が温まるくらいを目安にしましょう)水分代謝を助け、むくみや冷えを改善することが大切です。
更年期の夏バテ対策は「自分に優しく」「内側からケアを」
更年期の方が夏を快適に過ごすためには、セルフケアが不可欠です。
日常生活の中で取り入れやすい方法を実践し、自分を大切にする時間を持つことで、心身の健康を維持することができます。
この時期を快適に過ごすためには、不安定な心身を優しくケアすることが重要です。
適切なセルフケアが、更年期の時期の夏バテを乗り越えるための大きな助けになりますので、取り入れやすいセルフケア方法をご紹介します。
1. 十分な睡眠を確保する
更年期には睡眠障害が起こりやすいものですが、質の良い睡眠は健康維持に欠かせません。
毎晩同じ時間に寝ることで、体内時計を整えることができます。
冷房を適切に使用し、涼しく快適な寝室環境を整えましょう。
寝る前のカフェインやアルコールの摂取を避け、リラックスするために、ぬるめのお風呂に浸かったり、ハーブティーや読書を取り入れるのもおすすめです。
ただしスマホでの読書はNGです。
スマホなどの光が目から入ると、脳が「昼間だ」と錯覚し、メラトニンの分泌量が抑制され、脳が覚醒し、眠りが浅いなどの睡眠障害を引き起こしやすくなります。
特に画面を間近で見るスマホは特に要注意です。
「寝る前スマホ」による睡眠障害は若年層に多く、厚生労働省も注意を呼びかけています。
2. バランスの取れた食事を心掛ける
栄養バランスの良い食事は、夏バテ対策にも効果的です。
スタミナ食材のニンニク、ミネラル豊富な黒胡麻は夏の疲れた身体をケアする栄養が詰まっています!
どちらも血を補い、血行を促し、疲れやすさのケアをしてくれる薬膳食材なので疲れやすい時期におすすめです。
ほかにもビタミンB群やマグネシウムは、エネルギー代謝を助ける働きがあり、これらを含む食品として、バナナ、ナッツ、ほうれん草などがあります。
また、カルシウムやビタミンDは骨の健康維持に重要で、乳製品や小魚などから摂取できます。
足りない栄養はサプリメントや漢方薬で補うのも良いですね。
水分補給の際には、常温のスポーツドリンクなどを活用し、水分だけでなく、電解質の補給を行うのもお薦めです。
また、前述したように例年になく、エアコンにより内蔵が冷えてしまった方がかなり多いので、食事の際にはお味噌汁など、あたたかい食事を取り入れることがおすすめです。
3. 適度な運動を取り入れる
運動はホルモンバランスを整え、ストレスを軽減する効果があります。
涼しいうちにウォーキングや軽いストレッチ、ヨガを行うことで、体力を維持することができます。
ゆっくりとした動きは体に負担をかけにくいので、じつは「太極拳(たいきょくけん)」などの軽い体操もお薦めです。
無理をせず、自分のペースで継続することが大切です。
4. メンタルヘルスに気を配る
更年期と、疲れが重なると、心も影響を受けやすくなります。
深呼吸やアロマテラピーなどのリラクゼーション法を取り入れて、心身をリラックスさせる習慣をもちましょう。
また、友人や家族との交流もストレス軽減に役立ちます。
必要に応じてカウンセラーや専門家のサポートを受けることも検討してください。
5. 自分を大切にする時間を持つ
夏バテや更年期の不調を軽減させるには、自分をいたわる時間が必要です。
好きな映画を見たり、美味しい食事を楽しんだりなど、自分へのご褒美を設けることで、前向きな気持ちを保つことができます。
趣味の時間を持つことで、リフレッシュし、日常のストレスから解放されることが大切です。
■ 結論 ■
更年期における夏バテ対策は、単に暑さに対処するだけでなく、体全体のバランスを整えることが重要です。
漢方の知恵を取り入れながら、自分に合った方法で心身のケアを行うことで、元気な秋を迎えることができます。
朝晩が寒くなってきたと感じたら、白湯(温かいお湯)を数回に分けてのんでいただいたり、湯船につかるようにするなども心がけていただければと思います。
日常生活の中でセルフケアを実践し、自分を大切にする時間を持つことで、更年期の時期の夏バテ・秋バテをともに乗り越えてまいりましょう。
◆福岡で230年超の歴史 漢方の老舗うらべ 通販チーム◆
※漢方の老舗うらべ 通販公式サイト うらべのうらら 無断転載は禁じます